平成26年度は、フィールドワーク、基礎データ、統計資料収集をおこない、本プロジェクトを前進させることができた。とりわけ、日本に試合のために来日したフィリピン農村出身のアスリートの参与観察、聞き取り調査をおこなうことができ、非常に充実した内容のデータを得ることができたのは大きな収穫である。さらに、調査を通じて収集した資料を用いて、複数の論文を刊行し、成果を発信することができた。具体的には、本プロジェクトのフィールドワークの内容を示すものとして、①松村和則・石岡丈昇・村田周祐編、2014、『「開発とスポーツ」の社会学――開発主義を超えて』南窓社、② 石岡丈昇、2014、「第12回日本社会学会奨励賞【著書の部】受賞者自著を語る:『ローカルボクサーと貧困世界』」『社会学評論』65-1、pp.134-135.がある。また、本プロジェクトの理論的側面を探究するものとして、③石岡丈昇、2014、「現代の社会変動とDevelop概念の変容――マニラの経済開発と惨事便乗型資本主義」『子ども発達臨床研究』6号、pp.25-29.④石岡丈昇、2014、「都市再生?違う、ジェントリフィケーションだ――書評ニール・スミス『ジェントリフィケーションと報復都市』」『図書新聞』2014年11月29日号、がある。次年度は、本年度に収集した資料をもとにさらなる成果の公刊を目指すと同時に、上記に記した本年度の研究実績では十分に組み込むことができていない資料を組み込んだ研究を展開する予定である。
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