研究課題/領域番号 |
25750280
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
廣瀬 圭 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50455870)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スキー / シミュレーション / センサ・フュージョン |
研究概要 |
実滑走におけるスキーヤーの運動計測・解析を行うために,慣性センサを用いた身体運動計測システム,力センサを搭載した雪面反力計測システム,GPSレシーバを用いた滑走軌跡計測システムを用いた実滑走計測実験を行った.先行研究においては,スキー板の横ずれを伴わないカービングターンについてのみ行っていたが,本課題においてはカービングターンと横ずれを伴うスキッディングターンの両方についての運動計測・解析を行った.慣性センサを用いた姿勢推定において問題となるドリフト誤差を補正するために,動的加速度による影響を受けずにドリフト誤差を補正することができるセンサ・フュージョンを構築・適用することにより,雪面を高速で滑走するスキーヤーの運動計測・解析を可能とした.センサ・フュージョンと逆運動学解析,逆動力学解析を併用することにより,カービングターン,スキッディングターンを行うスキーヤーの関節角度,関節トルクを推定することができ,異なるターンによる運動の違いを明らかにすることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スキー・ターンのメカニズムを解明するために,慣性センサを用いたスキー・ターンの運動解析を行った.慣性センサのジャイロセンサに含まれ,誤差の原因となるドリフトによる誤差を動的加速度による影響を受けずに補正することができるセンサ・フュージョンを開発,スキー・ターンの運動学的解析,動力学的解析への適用を行うことにより,実滑走における異なるターン(カービングターン,スキッディングターン)による運動の違いについて明らかにした.シミュレーションモデルの開発には至っていないが,研究計画は概ね順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
スキー・ターンの3次元シミュレーションモデル開発を行うために必要な実滑走情報において,スキーヤーの運動情報である関節角度,関節トルクや滑走軌跡・速度についてはすでに得られていたが,スキー板の摩擦特性は得られていなかった.スキー板の摩擦特性は雪面状態によって変化するため,実滑走情報を用いた摩擦推定を行う必要がある.スキー板の摩擦推定および特性推定ができれば,シミュレーションモデルを構築するために必要な実滑走情報をほぼ得ることができるため,今後は,シミュレーションモデルの開発とシミュレーションモデルを用いた運動解析を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
購入したセンサの個数が変更になったことと成果発表によって使用した旅費額が変更になったため. 物品については,スキー・ターンを行うための操作力を明らかにするために必要な雪面反力を計測するための小型力センサの追加購入と空気抵抗を推定するための流体解析ソフトの購入に使用する.旅費は,これまでに得られたスキー・ターンの運動解析に関する研究成果をスポーツ工学関連の学会にて発表するために使用し,謝金については,実滑走計測実験を実施するために,被験者,実験補助者への謝礼金として使用する.
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