本研究では,サッカー行為者の性格構造に着目しながら,日本のスポーツ組織の現状と課題を示した.現状として,日本サッカー協会は高度化を強調し,同協会への帰属意識を高める制度的構造を生成していることが明らかとなった.したがって,課題としては,愛好者をも組織化し,高度化への偏重から脱却できるような体制に変革していく必要性が示された.そして,ドイツ・ブラジルとの比較から,スポーツ組織は愛好者を含む会員のための組織であることの認識を高めることと,愛好者に対するゆるやかな支援が求められていることが示唆された.
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