【意義】近年注目されている加圧トレーニングは、低強度負荷でも十分な筋肥大・筋力増加を示すことから、新たな筋力トレーニング法として確立してきた。しかし、加圧トレーニングによる筋肥大メカニズムについてはまだ不明な点が多い。本研究では、筋収縮様式の観点から、加圧トレーニングが筋肥大に及ぼすメカニズムに焦点を当て、若年者、高齢者や加療後のリハビリテーション患者を対象とした筋力トレーニング方法の開発を目指した。また、これまでに焦点が当てられていなかった脱トレーニングについても検討した。
<1:短縮性と伸張性収縮の比較> 【背景】筋力トレーニングの中止(脱トレーニング:DT)は筋力・筋サイズの低下を招く。血流制限下の低強度筋力トレーニングは短縮性筋収縮によって顕著な筋力増加・筋肥大を示すが、DTの影響は知られていない。【目的】脱トレーニングが短縮性(CON)と伸張性(ECC)の血流制限下低強度トレーニング後の筋力・筋サイズに及ぼす影響を比較した。【結論】短縮性の血流制限下低強度トレーニングによる筋力増加は6週間の脱トレーニング後も維持され、主に筋肥大の関与によるためと考えられた。 <2:短縮性収縮を強調したトレーニング> 【目的】セラバンドの負荷抵抗を利用した血流制限下の低強度筋力トレーニング(加圧トレーニング)と脱トレーニング(DT)が高齢者の筋サイズ、筋力と血管機能に及ぼす影響を検討した。【結論】セラバンドを用いた加圧トレーニングは血管機能を維持しながら、筋力・筋サイズの増加を12週間後も残存させると判明した。
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