本研究の目的は,スポーツ審判員の心理的スキルの内容を明らかにして,測定尺度を開発することであった.まず,テニス審判員99名を対象に,心理的スキルに関して自由記述による調査を行った.次に,トップレフェリー7名を対象に,審判員に必要な心理的スキルについてインタビュー調査を行い,探索的に検討した.収集された項目について因子分析を行った結果,精神の安定,表出力,意欲,自信,コミュニケーション,集中力の6因子24項目が抽出された.また,資格レベルの高い審判は心理的スキル得点も高いことが示された.そして,本研究による知見が審判活動の現場で応用されることが期待された.
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