研究課題/領域番号 |
25750309
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
松橋 崇史 東京工科大学, メディア学部, 助教 (50599991)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スポーツマネジメント / スポーツガバナンス / スポーツ政策 / 地域経営 / まちづくり |
研究概要 |
25年度は、まず、国内の選手雇用地域分散型クラブを抽出するために各種目の国内トップリーグ、ないしはそれに準じるリーグに所属するクラブを対象に、選手雇用地域分散型の実態があるかどうかについて、HP、およびヒアリング調査を通じて把握を行い、リストアップを行った。その上で、これまでも調査を進めてきた岡山県美作市に立地する岡山湯郷ベルへの調査、岩手県釜石市に立地する釜石シーウェイブスに対するフィールドワーク調査、岐阜県に立地する大垣ミナモ女子ソフトボールチーム、飛騨ブラックブルズ女子ハンドボールチーム、岐阜朝日男子ホッケーチームの調査、三重県伊賀市に立地する伊賀フットボールくノ一へインタビュー調査を実施した。これらの多くは、選手雇用地域分散型クラブの中でも自治体が主導するケースであり、調査結果をもとに、データ分析、分析のための理論枠組みの構築を進め、その一部を論文にまとめ発表し、国内外の学会にて発表を行った。各発表では、選手雇用地域分散型クラブが、いかにして、地域の多様なステークホルダーの協力を得てクラブ経営を進めるのかを分析するためには、クラブを支える自治体や大企業に着目する必要性を主張した。 行政学・政治学領域のガバナンス研究を参考にした理論枠組みを手掛かりに、分析結果から、クラブが中心となって様々なアクターを巻き込みクラブ経営を進めていく過程と、そうしたクラブの活動が地域における正統性やアカウンタビリティを持てるようにしていくために自治体や大企業が舵取りをしている過程が存在し、それらの相互作用が生まれていること、相互作用の働きが地域分散型選手雇用を採るクラブの安定に重要である、ということが示唆された。次年度以降の研究課題の設定にも寄与しうる内容となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査は予定よりも遅れている傾向にあるが、分析のための理論枠組みの構築は3年間で想定した目標に近い領域まで進展することができた。理論枠組みの構築により仮説設計が容易になり、今後は順調に調査を進めることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
予定に従って調査研究を進めていく。 研究遂行上の課題は、選手雇用地域分散型クラブに対して網羅的に実施する予定の質問紙調査への協力をいかにして確保するか、という点にあると考えている。各クラブを統括するリーグに対して調査依頼を行うことが妥当であるのか、各クラブ個別に調査を依頼することが妥当であるのか、第三者に依頼して調査をすることが妥当であるのか、見極めながら進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年11月時に2014年度・2015年度の予算の前払い申請を依頼した。最終的に前払い申請する際の想定であった学生アルバイトを利用せずに自前でデータ整理を行ったため、次年度使用額が生じた。 1万円未満であるため、この金額をもって、2014年度以降の計画を変更することはなく、従来予算(70万円)に準じて研究を進めていく。
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