不快画像鑑賞時の認知処理が姿勢制御に及ぼす影響を検討した.第1実験では,被験者(n=15)に中心視野か周辺視野のいずれかに呈示される感情画像(快,中性,不快)を見るよう指示し,重心動揺を測定した.中心視野では快や中性に比べ,不快画像に対する前後方向の重心のばらつきが増大した.第2実験では,不快画像の予期の影響を評価した.予期中の前後方向の偏差は中心視野では増大せず,周辺視野では増大した.しかし他の2つの感情条件では,予期による変化はなかった.これらの結果は,不快画像観賞中の姿勢制御は,呈示位置や予期などの認知的処理の影響を受けることを示唆している.
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