研究課題/領域番号 |
25750323
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
平山 邦明 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師 (20610447)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超音波エラストグラフィ / 体幹 / 筋 |
研究実績の概要 |
本研究は、腹横筋などに代表される体幹深層筋の筋活動状態を超音波エラストグラフィ法を用いて定量したうえで、体幹深層筋のトレーニングプログラムを構築することやその有効性について検討することを目的としている。 2013年度に検者内の信頼性を検証し比較的良好な値を得られたことから、2014年度は、実際に種々のエクササイズを行っている際の腹横筋の筋硬度を、筋活動状態の指標として測定した。10名の健常男性を被験者として、いわゆる体幹スタビリティエクササイズ(8種類)、片脚立位、静的デッドリフト(20㎏と60㎏)、ドローイン(腹横筋を単独で収縮させるエクササイズ)、ブレーシング(腹筋群を全て同時収縮させるエクササイズ)を行っている最中の腹横筋の筋硬度を測定した。その結果、ブレーシング時に筋硬度は最高値を示し、デッドリフト以外のエクササイズよりも有意に高い値であった。以上の結果に基づき、次年度はブレーシングの有無や短期的練習によって脊柱の挙動や運動パフォーマンスが変化するか否かについて検討をしていきたいと考えている。 ただし、2013年度に行った超音波エラストグラフィ法を用いた腹横筋の筋硬度測定の信頼性についての論文の査読を受ける段階で、やはり妥当性の検証の必要性があるとのコメントを査読者より受けている。2014年度の実験を論文化する前に、ワイヤー筋電図法などとの比較を通じて、超音波エラストグラフィ法による腹横筋筋硬度測定の妥当性を検証することが求められるかもしれない。計画の変更を含めて、現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度は所属機関の変更で実験実施がやや遅れたが、その影響がまだ残っている。2014年度後半には介入実験などより応用的な実験に進む予定であったが、2015年度にずれこんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度に行った測定の信頼性に関する研究について査読を受けている段階である。受理に向け、鋭意努力していく。2014年度に測定した各種エクササイズ中の腹横筋筋硬度のデータについては、その妥当性検証に向けて計画変更を行うか検討している。一方で、2014年の実験では「ブレーシング」というエクササイズが腹横筋筋硬度を最も上昇させることを確認している。したがって、そのエクササイズの効果やそのメカニズムに関する研究を進める準備もしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入実験では、被験者の謝金・交通費、ソフトウェア購入費など多額の費用が見込まれるが、研究遂行が遅れたことで介入実験等の応用研究に進めなかったため。また、2013年度に取得したデータは論文化を優先したため、まだ学会発表を行えていない。それによって、交通費等の支出が予定を下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
計画に対してはやや研究遂行が遅れているものの、データは蓄積されつつあり、論文化も進んでいる。第3弾の研究を実施するとともに、本研究で用いている手法の妥当性検証の実験も追加施策として考え、残りの研究費を使っていきたい。
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