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2014 年度 実績報告書

暑熱下運動時における熱中症に対する食事面からの予防策開発

研究課題

研究課題/領域番号 25750339
研究機関静岡県立大学短期大学部

研究代表者

林 恵嗣  静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00431677)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード食事摂取 / 呼吸化学受容器反射 / 呼吸化学感受性 / 高糖質食 / 呼吸パターン / 運動
研究実績の概要

平成26年度は、まず前年度に実施した食事摂取が呼吸化学受容器反射に及ぼす影響について、被験者数を増やしてデータを追加した。この実験は、食事摂取の有無で再呼吸法によって評価する呼吸化学受容器反射がどのように変化するかを検討したものである。データを追加した結果、再呼吸前の安静時には、食事摂取により酸素摂取量や二酸化炭素排出量、換気量、呼吸回数、呼気終末二酸化炭素分圧が有意に高くなった。呼吸化学感受性については、呼吸回数に関する感受性が食事摂取によって低下することが示された。このことから、食事摂取は呼吸パターンを変化させる可能性が示唆された。
その後、高糖質食の摂取がその後の運動時の呼吸循環反応に及ぼす影響について検討した。被験者は9名の健康な男性であった。被験者は2種類の食事(高糖質食と一般食)摂取90分後に50%VO2peak強度の運動を行った。運動直前の安静時において、深部体温に条件間で差はなく、高糖質食条件で一般食条件と比較して心拍数が有意に低く、呼吸回数が有意に高い値を示した。運動時には、深部体温に条件間で差はなく、高糖質食条件で一般食条件と比較して心拍数、換気量、酸素摂取量および二酸化炭素排出量が有意に低い値を示した。高糖質食を摂取したにも関わらず、二酸化炭素摂取量が一般食よりも低値を示したことは予想外の結果である。栄養素割合を変化させるためには食事の献立自体も変化させざるを得ないため、他の栄養素が何らかの影響を及ぼした可能性も考えられ、今後さらに検討をする必要があると考えられる。また、体温上昇に対する換気感受性を評価すると、高糖質食条件は一般食条件と比較して、体温上昇による呼吸回数の増加は小さく、一回換気量の低下が小さくなる関係がみられた。このことから、栄養素割合を変化させることで呼吸パターンが変化することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Effect of postprandial thermogenesis on the cutaneous vasodilatory response during exercise.2014

    • 著者名/発表者名
      Keiji Hayashi, Nozomi Ito, Yoko Ichikawa, and Yuichi Suzuki.
    • 雑誌名

      Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism

      巻: 39 ページ: 920-926

    • DOI

      10.1139/apnm-2013-0506

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 体温上昇による呼吸の変化2014

    • 著者名/発表者名
      林 恵嗣
    • 学会等名
      第28回呼吸研究会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2014-09-18
    • 招待講演
  • [学会発表] 体温上昇による換気亢進反応2014

    • 著者名/発表者名
      林 恵嗣
    • 学会等名
      第22回日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      川崎医療福祉大学
    • 年月日
      2014-07-19
    • 招待講演
  • [学会発表] Effects of CO2 on ventilatory and cerebrovascular responses during passive heating in humans2014

    • 著者名/発表者名
      Bun Tsuji, Davide Filingeri, Naoto Fujii, Keiji Hayashi, Tsubasa Eguchi, Narihiko Kondo, Yasushi Honda, Takeshi Nishiyasu
    • 学会等名
      19th annual congress of the European College of Sport Science
    • 発表場所
      Amsterdam
    • 年月日
      2014-07-03

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公開日: 2016-06-01  

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