研究課題/領域番号 |
25750340
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
大澤 拓也 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (70613496)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 筋グリコーゲン / 低酸素 / 間欠的運動 |
研究概要 |
平成25年度、本実験の実施には至らなかった。しかし、本実験において、最も重要である「筋内グリコーゲン」測定の妥当性や個人差、日差変動を中心に再検討を実施した。また、長時間運動(実験I)や間欠的運動(実験II)の再現性、またその違いとその要因の検討を行った。下記にその詳細を示す。 まず、実験Aとして、筋内グリコーゲン測定の個人差や日差変動について検討した。被験者は別日同一時間に3回、外側広筋のグリコーゲン量を炭素の磁気共鳴分光法(13C-MRS)にて測定した。個人間で比較するとその変動係数は0.20程度となり、また個人毎に日差変動を検討すると0.06から0.14であった。その結果、本実験における被験者選択(スポーツ種目・競技レベルなど)、前日までの食事や行動の制限の重要性が明らかとなった。 次に、実験Bとして、長時間運動に伴う筋グリコーゲンの利用量・低下率の再現性について検討をした。実験Aと同様、被験者は別日同一時間に3回、長時間(90分間)運動を実施し、筋グリコーゲンの利用量を評価した。その結果、1部の被験者を除き、変動係数は0.07から0.10となった。 低酸素が筋内グリコーゲン利用量に及ぼす影響を検討するため、本研究では、運動時の筋酸素動態を評価する。平成25年度においては、測定方法や部位について検討した。90分間の同一運動強度でも時間経過により筋酸素動態が変化すること、その影響は酸素濃度に関係することが明らかとなった。本実験においては、運動時の筋内グリコーゲン利用と酸素動態の関係を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「(4)遅れている」の主な理由は幣施設にあるMRI装置は診療用と研究用の2台あるが、そのうち1台が入替えにより、診療用の1台のみの稼働となり、実験をすることが困難であったことである。また、診療のない土日は所属先の研究活動でMRI装置を利用していたため、本実験を開始するに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
元来の実施計画では、長時間運動(実験I)を先に実施する予定であったが、順序を入替えて、間欠的高強度運動(実験II)を平成26年度前期より開始する予定である。確保された被験者の特性、所属先の低酸素施設やMRI装置、他研究との兼合いがその理由である。 秋ごろより、長時間運動(実験I)を開始する予定である。昨年度の計画時には、この実験Iは絶対運動強度、相対運動強度の比較をする予定であったが、それに加え、近年、話題となっている「赤ビート」という植物の摂取効果を検討することを計画している。この植物を摂取することにより、低酸素環境下での運動パフォーマンスが向上することが報告されている。しかしながら、エネルギー代謝については十分に明らかになっていない。そこで、元々予定されていた実験Iにこの「赤ビート」摂取条件も加えることを検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
本実験を十分に遂行できなかったため、被験者の謝金等において次年度使用額が生じた。 平成26年度、実験Iおよび実験IIを実施し、その謝金や血液解析に用いる。
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