宇宙飛行士の軌道上滞在中の筋萎縮は、高齢者や長期臥床患者の廃用性筋萎縮と極めて似ている。現在多くの宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期間(6ヶ月程度)滞在している。そのため、人の骨格筋が宇宙空間の微笑重力環境で萎縮するメカニズムを解明することは、極めて重要な課題である。しかし、筋萎縮予防のみをターゲットにしたリハビリやトレーニング法では身体機能全体の回復には不十分である。そこで本研究の目的は、げっ歯類を用いて後肢骨格筋の筋萎縮にどの程度神経活動が関与し、さらには脳機能への影響はどの程度あるのかを検討することを目的としている。 本年度は、昨年度から検討しているラットの神経切除モデルの構築を継続して行った。また、骨格筋の機能を測定するために筋電図の測定を試みた。今後いくつかの細かい条件検討を実施し、N数の確保を計画していたが、年度途中で海外留学のため、実験継続ができなくなり残念である。
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