本研究の目的は、東日本大震災発生前の個人の生活習慣や身体状態が、災害発生後問題となる心的外傷後ストレス障害(PTSD)と関連するかについて明らかにすることであった。その結果、男性においては、震災前の脚伸展パワーが高ければPTSD症状を示すスコアは低い値を示し、毎日飲酒していた者やすでに抑うつ傾向であった者はPTSD症状のスコアは高い値を示した。一方、女性においては、高血圧もしくは抑うつ傾向であった者のPTSD症状スコアの値が高かった。 このことから日常において身体機能を高く維持・増進させることが、災害時などの非常時のメンタルヘルスに対して好ましい影響を与える可能性がある。
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