研究課題/領域番号 |
25750345
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
久保 元芳 宇都宮大学, 教育学部, 講師 (90451707)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ノンアルコール飲料 / 小中学生 / リスク / 飲酒 / 関連要因 |
研究概要 |
本研究は,酒類の代替飲料として開発され,ここ数年で市場規模を急速に拡大したノンアルコール飲料に着目し,小中学生におけるノンアルコール飲料の摂取状況やノンアルコール飲料に関する知識および意識の実態について明らかにすること,また,ノンアルコール飲料の摂取と飲酒等の危険行動との関連性やノンアルコール飲料の摂取の背景要因について明らかにすることを目的としている。 本年度は先ず,未成年者に対するノンアルコール飲料の販売に関わる社会的対策,家庭や学校での対応等の現状について,文献やインターネットサイトなどを通じた情報収集を行った。続いて,上記作業で得られた知見や青少年の危険行動に関する先行研究の成果を参考に質問紙調査票および調査実施マニュアルを作成し,小学5年生121名(男64名,女57名)および中学2年生242名(男118名,女124名)を対象とした予備調査を実施した。調査項目は,「ノンアルコール飲料の認知状況」,「ノンアルコール飲料の摂取状況」(摂取経験,初回摂取の時期等),「ノンアルコール飲料に関する知識」(成分,開発目的,法的規制等),「ノンアルコール飲料の摂取に対する態度」,「飲酒行動」,「飲酒に対する態度」などであった。その結果,小中学生におけるノンアルコール飲料の認知度は極めて高いこと,約4割以上の者がノンアルコール飲料の摂取経験があること,ノンアルコール飲料の摂取経験は飲酒に関する肯定的態度や飲酒行動と関連していること等の知見が示された。なお,追加すべき質問項目や,一部の質問文のワーディングと回答形式の改善の必要性など,次年度の本調査に向けての検討課題も明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り予備調査が実施され,妥当性があると判断できる結果が得られたこと,また,平成26年度に実施する本調査に向けての検討・作業課題も明らかとなるなど,着実に進んでいると考えられるため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,予備調査によって明らかとなった質問紙の内容や実施方法の課題を改善した上で,関東地方に在住するの小学5年生および中学2年生を対象とした本調査を行う。対象校は,関東地方の小学校および中学校の中から地域性や学校規模等の条件を勘案した上で抽出し,小学5年生および中学2年生について各1,000名程度が確保できるようにする。調査実施後は,(1)ノンアルコール飲料の摂取経験やノンアルコールに関する知識および意識の実態の把握,(2)ノンアルコール飲料の摂取と飲酒等の危険行動との関連性の検討,(3)ノンアルコール飲料の摂取の背景要因の検討,などの視点からデータ分析を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
人件費・謝金について,当初は大学院生による予備調査のデータ入力分を見込んでいたが,検討の結果,専門業者による入力の方が確実かつ安価であることが判明したため。また,情報収集のために参加予定であった日本公衆衛生学会について,研究代表者の体調不良により参加できなかったため。 平成26年度は,本調査を実施するため,調査票の印刷,郵送作業,データの取りまとめや整理など研究補助への人件費が必要となる。また,青少年におけるノンアルコール飲料の摂取に関する最新の情報収集を引き続き行う必要があるため,学会や研究会等への参加の旅費も必要である。
|