本研究では,幸福感を高めるような心理学的介入の心身の健康状態に対する効果を検証した。実験の結果,毎日起きた出来事について,その時感じた自分の感情を素直に記述して一日を振り返るという,感情体験の自己開示を1週間行うことにより,幸福感の上昇,うつ症状の減少,身体的活性化(交感神経活動の上昇)を促すことが示された。また,幸福感の変化と唾液中CRP濃度(炎症マーカー)・sIgA濃度(免疫機能マーカー)との間に相関が認められた。本研究により,筆記による感情体験の自己開示は心身の健康状態を増進させることが示された。
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