老化マウスや早期老化モデルマウス(α-Klotho欠失)においてNrf1の発現低下が確認される事実から、老化と細胞内チオール環境の変化、すなわち還元ストレスとの関連を明確にし、Nrf1の転写調節機能を活用して抗老化作用を誘導できないかを検証した。本研究計画によって、Nrf1を過剰発現すると、酸化ストレス応答転写因子であるNrf2の転写活性を抑制することを明らかにし、Nrf1による還元誘導は、加齢によって蓄積するNrf2の過剰なストレス応答を抑制する効果があることを明らかにした。現在もNrf1及びNrf2の活性是正による、老化防止方策を個体レベルでの実証に挑んでいる。
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