本研究では,歯周病予防に貢献するディフェンシン(mBD3)に着目し,加齢による口腔免疫能の低下に対する継続的運動の効果について検討した.一過性の疲労困憊運動で唾液腺mBD3発現について,低下の傾向はあるが,統計的に有意な変動は認められなかった.老化マウスとコントロールマウスのmBD3発現について有意な差は認められなかった.8週間の自発運動により老化マウスのmBD3発現は有意に低下した.本研究結果より,唾液腺mBD3は加齢の影響を受けず,運動に応答する可能性が示された.今後は,より多くの対象に対して効果を検討することやトレッドミルによる運動量を管理したトレーニングの効果を検討する必要がある.
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