研究課題/領域番号 |
25750360
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都学園大学 |
研究代表者 |
渡邊 裕也 京都学園大学, バイオ環境学部, 研究員 (70644376)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 筋輝度 / 超音波 / 高齢者 / レジスタンストレーニング / サルコぺニア |
研究概要 |
本研究の目的は超音波画像から算出した筋輝度を用いた骨格筋内の非収縮要素の評価法について妥当性を確認すること、高齢者の運動機能・筋量・筋輝度の関連性を検討すること、運動介入により筋輝度にいかなる変化が生じるかを探ることである。平成25年度は以下3つの実験を実施した:実験1)大腿四頭筋の筋輝度をはじめとした運動機能の測定(対象者:要介護者を含む高齢者1,479名);実験2)高齢者を対象とした運動介入実験(対象者:146名、74.2 ± 5.1歳);実験3)筋輝度を用いた手法とCTを用いた従来法の比較(対象者:若齢者19名、高齢者24名)。 現段階で分析が終了し、得られた知見は以下のとおりである。 1)筋輝度と筋力には有意な負の相関関係が認められた。高齢男性184名を対象とした予備的解析では、筋輝度が筋厚(筋量の指標)と独立した筋力の説明変数として抽出された(β= -0.294; P < 0.001)(Watanabe et al. 2013)。以上のことから、骨格筋の非収縮要素の割合の増加といった筋の質的な変化が高齢者の筋力低下に関連している可能性が示唆された。 2)12週間の介入により、歩行速度、椅子立ち上がり能力、等尺性膝伸展筋力などの体力が有意に向上したのみならず、大腿四頭筋の筋輝度は有意に減少した。運動介入が筋内組成にポジティブな影響をもたらしていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における平成25年度の計画は、大腿四頭筋の筋輝度をはじめとした身体機能の測定ならびに筋輝度を用いた手法とCTを用いた従来法の比較であった。当初介入実験は26年度に予定されていたが、対象者と実施場所が確保できたため前倒しで実施した。したがって、現時点で計画は順調に達成できていると考えている。次年度以降は得られたデータの詳細な分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、データの分析と論文作成を中心に行う予定である。また、前年度、施設を利用している要介護者を対象とした測定を実施したが、予定人数に達していないので、次年度も引き続き測定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に超音波診断装置一式を購入する予定であったが、共同研究者が所有する装置を借用できたので、次年度使用額が生じた。 平成26年度は約1500名の身体機能データを詳細に分析するため、統計処理ソフトを購入予定である。
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