本研究は、初期の2型糖尿病で、インスリン分泌能を高精度、簡便、迅速かつ低侵襲でモニターできるmiRNA マーカーの確立を目的とした。本研究では、糖尿病発症の前段階と考えられる「インスリン抵抗性」特異的に発現変動する分泌型miRNAを49種類、マイクロアレイ法により同定した。そのうち、発現上昇する2種類が動脈硬化に、4種類がインスリン分泌低下に、それぞれ関わる可能性を見い出した。さらに、ゼブラフィッシュを用いた糖尿病合併症評価法を開発し、上記2種類のmiRNAの機能評価が可能となった。本研究から、上記miRNAの組み合わせは、糖尿病発症段階を総合的に評価できるマーカーとして有効と考えられた。
|