研究課題/領域番号 |
25750373
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
渡邊 將司 茨城大学, 教育学部, 准教授 (80435213)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 運動スキル / 身体活動 / 幼少期 |
研究概要 |
本研究は,思春期でアクティブな子どもになるために,幼少期に獲得するべき体力,運動スキル,身体活動量の境界線を明らかにすることを目的としており,小学1年生を小学5年生まで追跡調査することを計画している。本研究で明らかになる結果は,幼児期や小学校での体育や,家庭での運動への関わり方に対して,より具体的な情報を提供できるようになると考える。 平成24年度から実施している「子どもプロジェクト」(代表:引原有輝・千葉工業大学)に参加する被験者を増やすために,平成25年度には新たに162名の小学1年生を対象にして,最大酸素摂取量(トレッドミル走行),運動スキルテスト(TGMD-2),骨密度・身体組成測定(DXA),文部科学省新体力テストを7月から8月にかけて国立健康栄養研究所と筑波大学で実施した。加えて11月には,プロジェクトに参加している249名すべての被験者に対して,活動量計(Omron HJA-350IT)を郵送し,約10日間の身体活動量調査を実施することができた。 得られたデータをまずは横断的に分析して,身体活動と運動スキルとの関係性をみたところ,特に用具操作系の運動スキルは,平均歩数,中高強度の活動時間,身体活動レベル(PAL)といった身体活動パラメーターと中程度以上の相関関係があることが明らかになった。これらの結果は,2014年7月にオランダで開催されるヨーロッパスポーツ科学会(ECSS)で発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度は,国立健康・栄養研究所および筑波大学と協力して,東京都,千葉県,茨城県に在住する小学1年生を160名程度調査することができ,目標としていた100名を大幅に上回った。子どもたちの夏休み期間に体力測定や運動スキルテストなどを終えることができ,11月に実施した身体活動量も参加者全員からデータを収集することができた。今後,継続的に興味をもって調査に参加してもらえるように,フィードバック用のシートも作成して,結果を送付することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
研究のベースラインとなる小学1年生時のデータ収集は完了した。被験者が小学2年生から4年生までは,11月の身体活動量調査のみを実施する予定である。調査の際には,研究の進捗状況(学会発表や論文掲載情報など)を保護者にも報告する予定である。 なお,本研究は追跡調査が主要な目的ではあるが,横断データや1年間の変化にも焦点を当ててデータの分析を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では,2013年度に活動量計をもっと多く購入する予定だったが,国立健康・栄養研究所や千葉工業大学だけでなく,他の研究者からも借りることができたため,購入台数を少なくすることができた。 2014年度は身体活動量の調査のみではあるが,被験者への謝金の支払い,活動量計の郵送費,データ整理の人件費などがかかる。データの整理や活動量計のセッティングには,既有のパソコン1台を使用していたが,作業効率が悪いので,パソコンをもう1台増やして身体活動量調査に備える予定である。
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