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2013 年度 実施状況報告書

新規抗菌活性天然物ピペリダマイシン類の全合成と構造活性相関研究

研究課題

研究課題/領域番号 25750381
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

吉田 将人  東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80511906)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード全合成 / デプシペプチド
研究概要

放線菌より単離・構造決定された抗菌活性天然物オリゴピペラジン酸ピペリダマイシン類の合成に向けて,はじめにその開環構造を有するJBIR-39の全合成を検討した.現在までにピペリダマイシン類はその絶対構造が明らかとなっていないが,JBIR-39についてはピペラジン酸の立体化学およびヒドロキシピペラジン酸の相対立体化学が分かっており,その構造情報を参考にJBIR-39の全合成を試みた.まず,別途不斉合成したヒドロキシピペラジン酸に対し順次ピペラジン酸を縮合することでオリゴピペラジン酸構造を構築した.この際,ピペラジン酸が有するαーアミノ基の低い求核性を補うため,縮合相手にピペラジン酸クロリドを用いることで収率良くオリゴピペラジン酸を得ることに成功した.JBIR-39が含む4連続ピペラジン酸構造は,現在までに単離および合成ともに報告例がなく,今回のオリゴピペラジン酸合成は初めての例である.得られた直鎖ペプチドの両末端にαーヒドロキシ酸とαーメチルセリンを縮合し,最後に保護基の脱保護を行うことでJBIR-39の提唱構造を得た.しかし,単離の際に得られた構造情報との比較を行った結果,合成品は天然物とは一致しないことが分かった.合成品と天然物との構造情報を比較することで推定構造を予測し,先に確立した合成法を用いて予測される全ての化合物を合成した.その結果,JBIR-39の初の全合成を達成するとともにその絶対構造を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標であるJBIR-39の全合成を達成し,その絶対構造の決定に成功した.この際,オリゴピペラジン酸構造の効率的な合成法を見いだし,誘導体合成が可能な合成経路を確立した.

今後の研究の推進方策

JBIR-39の構造情報を基に,マクロラクトン化による大環状構築を鍵としてピペリダマイシン類の全合成を検討する.最終工程における脱保護では,ピペラジン酸が有する窒素ー窒素結合の開裂が考えられるため,反応条件の精査が必要である.また,より収率良くオリゴピペラジン酸構造を構築するため,酸触媒を用いた反応条件や保護基の検討を行う.また,効率的な誘導体合成を指向した固相法によるオリゴピペラジン酸合成についても検討を行う.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Synthetic Study for Cyclodepsipeptide Piperidamycins2013

    • 著者名/発表者名
      Naoki Sekioka, Masahito Yoshida, Miho Izumikawa, Motoki Takagi, Kazuo Shin-ya, and Takayuki Doi
    • 学会等名
      International Symposium for the 70th Anniversary of the Tohoku Branch of the Chemical Society of Japan
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130928-20130930
  • [学会発表] Synthetic Study of Piperidamycins2013

    • 著者名/発表者名
      Naoki Sekioka, Masahito Yoshida, Miho Izumikawa, Motoki Takagi, Kazuo Shin-ya, and Takayuki Doi
    • 学会等名
      ICCA-13 (13th International Conference on the Chemistry of Antibiotics and other bioactive comopunds
    • 発表場所
      山梨
    • 年月日
      20130924-20130927

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公開日: 2015-05-28  

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