特徴的なオリゴピペラジン酸構造を有する抗菌活性ピペリダマイシン類の全合成について検討した.ピペリダマイシン類の全合成に先立ち,その開環構造と考えられるJBIR-39の全合成を試みた.スカンジウムトリフラートを用いた触媒的アシル化反応を見いだすことで,構築困難なオリゴピペラジン酸構造の効率的な合成を達成し,JBIR-39の全合成の達成により不明であった立体化学を決定することに成功した.また,JBIR-39の合成から得た知見を基にピペリダマイシンFの全合成を検討し,低収率ながらマクロラクトン化反応を行うことに成功した.
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