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2013 年度 実施状況報告書

生合成酵素を利用した新規teleocidin Bアナログの創製

研究課題

研究課題/領域番号 25750382
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

淡川 孝義  東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80609834)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードprotein kinase C / 結晶構造解析 / 異種発現 / 放線菌 / teleocidin B / プレニル基転移酵素 / lyngbyatoxin A / メチル化酵素
研究概要

Streptomyces lividans生体内での異種発現によって、teleocidin B-4(TB)生合成に関わる生合成遺伝子tldABCを含む遺伝子クラスター(tldクラスター)がTB前駆体であるlyngbyatoxin Aを合成することを示した。indoclatam VとC10のゲラニル二リン酸を基質として、リバースプレニル化を触媒するプレニル転移酵素TldCのアポ体のX線回折データを1.95 オングストロームの解像度で、セレノメチオニン置換体のデータを2.11オングストロームの解像度で取得することに成功した。このセレノメチオニン置換体のデータを元に移送決定することによってTldCの全体構造、活性残基の構造を決定することができた。同時にindolactam VにC5ユニットのプレニル基を転移するMpnDの結晶構造解析に成功し、その構造を決定することに成功した。今後、リガンドと酵素との共結晶、C10ユニットのプレニル基を転移するTldCとMpnDの構造比較により、さらなる酵素の構造機能活性相関が進むことが期待できる。また、tldクラスターをゲノム中に含むS. lividansに対してゲノム情報より見出だしたC-methyltransferaseホモログを順次導入することによって、lyngbyatoxin A のgerayl基のメチル化を触媒する酵素のスクリーニングを行った。その結果、一つのメチル化酵素(TldD)を導入したStreptomyces lividansはTDを生成することが明らかとなった。TldD遺伝子はtldクラスターから離れた位置に存在するため、本研究はクラスター外の修飾酵素を見出した画期的な研究例となる。今後、TldDが単独でgeranyl基のメチル化と、TB骨格合成するために必要なプレニル基の環化を触媒するかin vitroで試験する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

TldC、MpnDの結晶構造解析に成功し、その全体構造を決定するに至った。この結果を元に、今後の詳細なTldCの構造解析が期待できる。また、異種発現を利用した効率の良い生合成遺伝子同定の手法により、teleocidin B-4の生合成に関わる鍵酵素の取得に成功した。遺伝子クラスター外の生合成遺伝子同定の例は少なく、本研究は画期的な成功例といえる。

今後の研究の推進方策

今後、TldC、MpnDのリガンドとの共結晶を構造解析し、C5、C10のプレニル基の認識、リバースプレニル化反応に重要なアミノ酸残基を同定する。その結果見出だしたアミノ酸残基に変異を加えることによって、プレニル基付加の位置特異性、およびプレニル二リン酸特異性の改変を試みる。また環化反応に重要なTldDのin vitro反応を試験し、TldDが単独で、メチル化、環化の二つの反応を触媒するか試験する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 放線菌由来新規プレニルトランスフェラーゼTldCとMpnDのX線結晶構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      森貴裕、張驪駻、淡川孝義、脇本敏幸、森田洋行、阿部郁朗
    • 学会等名
      酵素工学研究会 第70回講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20141025-20141025
  • [学会発表] 放線菌由来新規プレニルトランスフェラーゼTldCとMpnDのX線結晶構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      森貴裕、張驪駻、淡川孝義、脇本敏幸、森田洋行、阿部郁朗
    • 学会等名
      日本薬学会 第134年会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] 放線菌異種発現系を用いた 新規teleocidin類アナログの創出2014

    • 著者名/発表者名
      星野 翔太郎, 張 驪駻, 淡川 孝義, 伊藤 卓也, 脇本 敏幸, 阿部 郁朗
    • 学会等名
      日本農芸化学会2014年度大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Functional analyses of novel indole prenyltransferases2014

    • 著者名/発表者名
      森貴裕、張驪駻、淡川孝義、脇本敏幸、森田洋行、阿部郁朗
    • 学会等名
      Marine Natural Products Gordon Research Conference.
    • 発表場所
      Ventura, California, US.
    • 年月日
      20140302-20140307
  • [学会発表] Functional analysis of prenyltransferase TldC2013

    • 著者名/発表者名
      森貴裕、張驪駻、淡川孝義、伊藤卓也、浅川義範、阿部郁朗,
    • 学会等名
      1st European Conference on Natural Products
    • 発表場所
      Frankfurt am Main, Germany
    • 年月日
      20130922-20130925

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公開日: 2015-05-28  

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