研究課題
Teleocidin Bは放線菌Streptomyces blastmyceticusより単離されるインドールテルペノイドであり、強力なprotein kinase C (PKC)活性化因子である。PKC活性化因子には、発ガンプロモーターが多く含まれるが、いくつかの化合物は抗腫瘍活性があり、活性化因子の類縁体群より、有用な活性を持つものをスクリーニングすることが望まれる。そのため、生合成を用いたteleocidin B類縁体ライブラリーの構築のため、その生合成酵素の触媒反応解析、酵素の構造解析を行った。teleocidin B生合成反応中、indolactam Vにテルペノイド部であるgenarnyl基をそのC-3位より転移する逆プレニル化を触媒するTleCの結晶構造解析を行い、その基質結合部位を明らかにした。本研究はindole環にGPPを逆プレニル化する酵素の初の構造解析例となり、その機能に関する新規性の高い知見を得ることに成功した。また、遺伝子の異種発現によるスクリーニングによって、geranyl基のメチル化、環化を行い、teleocidin Bの特徴的なシクロヘキサン環を合成するメチル化酵素TleDを見出し、その反応をin vitroで詳細に解析した。本反応は、メチル化によってテルペン環化が引き起こされる初めての例となった。本研究によって、新たなprotein kinase C活性化因子合成プラットフォーム構築に有用な知見を得ることができた。
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J. Am. Chem. Soc.
巻: 136 ページ: 9910-9913
10.1021/ja505224r
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~tennen/head.htm