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2013 年度 実施状況報告書

標的糖質を選択的にラベル化する人工機能性レクチンの創製と細胞表層エンジニアリング

研究課題

研究課題/領域番号 25750387
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

高橋 大介  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00509929)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードレクチン / 糖鎖認識 / 人工機能性タンパク / ラベル化 / 固相 / 蛍光イメージング
研究概要

細胞表層上の糖鎖は、恒常的な生命現象や疾病に深く関与している。そのため、標的糖質(糖鎖、糖タンパク、及び糖脂質)を選択的にラベル化し、その機能解析を可能にする新技術の開発は、極めて重要である。本研究では、標的糖鎖を特異的に認識するタンパク(レクチン)と、特定波長の光照射下、ランダムに有機分子とクロスリンクする光反応性基を連結した新たな人工機能性レクチンを創製し、細胞表層上の標的糖質を選択的かつ直接的にラベル化する基盤技術の確立を目的とした。
研究の初年度である本年度は、研究実施計画に従い、標的糖質を選択的かつ直接的にラベル化する人工機能性レクチンの合成を検討した。まず、本人工機能性レクチンを合成するための基盤技術である固相タンパク機能化法の開発を行った。すなわち、標的レクチンとリガンドの組み合わせとして、マンノースとコンカナバリンA(Con A)及びガラクトースとピーナッツレクチン(PNA)を選択し、1)リガンド部位、2)固定化部位、3)切り出し部位を併せ持つ低分子を固相上に担持したケミカルツール1及び2をデザイン・合成後、標的タンパクの固相アフィニティラベル化を検討した。その結果、1を用いた場合、夾雑なタチナタマメのタンパク抽出液からでも、Con Aのみを選択的に単離・ラベル化できることを見出した。さらに、2を用いた場合においても、PNAの選択的なラベル化が行えることを明らかにした。以上の結果より、本固相タンパク機能化法が高い汎用性と基質一般性を有することを明らかにした。次に、ケミカルツールの切り出し部位に、光切断部位を導入したケミカルツール3の合成を検討し、現在、3の前駆体の合成まで達成している。次年度は、標的糖質を選択的にラベル化可能な人工機能性レクチンの合成と糖タンパクおよび細胞を用いた標的糖質の直接的なラベル化を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の初年度である本年度は、「標的糖質を選択的かつ直接的にラベル化するための人工機能性レクチンの創製」を主目的として研究を行った。その結果、本人工機能性レクチン合成のための基盤技術である固相タンパク機能化法の標的タンパク選択性と基質一般性が高いことを明らかにし、標的レクチンCon AおよびPNAの選択的なラベル化を達成した。さらに、目的とする人工機能性レクチンの合成も順調に進展しているため。

今後の研究の推進方策

本研究の今後の推進方策として、引き続き1)リガンド部位、2)固定化部位、3)光切断部位を併せ持つ低分子を固相上に担持したケミカルツール3を合成し、光反応性基を有する人工機能性レクチンの創製と標的糖質の光ラベル化反応、続く切り出し反応の検討を行い、標的糖質の選択的な蛍光ラベル化を目指す。
尚、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での大きな問題点は現時点ではない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Chemistry Based Approaches for Target-selective Photodegradation of Oligosaccharides and for Target-selective Modification of Proteins

    • 著者名/発表者名
      高橋 大介
    • 学会等名
      Carlsberg Laboratory Seminar
    • 発表場所
      Carlsberg Laboratory (Copenhagen, Denmark)
    • 招待講演
  • [学会発表] 標的タンパクを選択的に単離・標識化する固相ラベル化法の開発

    • 著者名/発表者名
      蓮見 貴大、金子 新、高橋 大介、戸嶋 一敦
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学(東山キャンパス、愛知)

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公開日: 2015-05-28  

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