蛍光標識を施したグルコースの誘導体2-NBDGを用いて血中から脳組織への輸送現象を定量化するための画像解析法について検討した。まず、血管内、血管壁、組織の各領域における2-NBDGの濃度変化について評価した。次に、グラフ解析の手法を用いて各コンパートメント間における2-NBDGの移行量と蓄積量を求めた。その結果、血中から壁への移行および血中から壁と組織への移行に関しては,動脈と静脈との間で有意な差はみられなかったが,血中から組織への移行に関しては静脈よりも動脈の方が有意に大きい結果が得られた.さらに麻酔下と覚醒下で比較した結果、麻酔下では輸送担体を介さない移行経路が主要であることが示唆された。
|