研究課題
(1)特定の嗅覚神経系(主嗅覚系背側領域、主嗅覚系腹側領域、鋤鼻系)を特異的に機能阻害したマウスを作製するために、CREリコンビナーゼをOMACSあるいはOCAMプロモータの下流で発現するマウスを、嗅細胞の活性化に必須であるCNGA2のコンディショナルノックアウトマウスと掛け合わせた。鋤鼻系の機能阻害は、外科的手術により鋤鼻器を除去することで行った。この結果、主嗅覚系背側領域が、鋤鼻系の機能に依存せず、様々なマウスの社会性行動を制御していることが明らかになった。主嗅覚系腹側領域の解析については、OCAM-CreとCNGA2のコンディショナルノックアウトマウスを掛け合わせたマウスを作製したが、背側領域の機能も阻害されてしまっため、主嗅覚系腹側領域の機能解析は行えなかった。(2)神経細胞の活性化マーカーであるc-fosの発現を指標とした全脳マッピングにより、前嗅核が社会性行動と関連していることが示唆された。また、主嗅覚系背側領域と鋤鼻系からの情報が、扁桃体および視床下部で統合されていることも明らかにした。(3)上記(2)で同定された前嗅核を局所破壊したところ、社会性行動に異常が見られ、この領域が主嗅覚系背側領域の下流で社会性行動を制御機能していることが示唆された。
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Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 112 ページ: E311-E320
10.1073/pnas.1416723112