多くの哺乳類において社会性行動は種の生存において必須であり、嗅覚系が重要な役割を果たしている。しかしながら、嗅覚系を構成する複数の神経系群がどのように使い分けられているのかは不明であった。本研究において、主嗅覚系背側領域を特異的に機能阻害したマウスの社会性行動を解析したところ、主嗅覚系背側領域は鋤鼻系の機能に依存することなく、多くの社会性行動を制御していることが明らかになった。さらに、神経活性化マーカーであるc-fosあるいは局所的な脳領域破壊マウスを用いた解析から、前嗅核が主嗅覚系背側領域の下流で社会性行動を制御していることが示唆された。
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