本研究では、思春期の社会行動とその逸脱行動に関して、「衝動性」と「社会的ストレス耐性」の2軸の行動特性を元に、その逸脱をもたらす脳機能特性に関与する内分泌機能を明らかにすることを目的とした。思春期・青年期児童を対象にした大規模調査によって社会的ストレス耐性や脆弱性に関するストレスモデルを構築し、その妥当性と有効性を検証した。思春期児童36名、成人33名を対象に社会的ストレスに関する脳イメージングおよびホルモン測定を行った。その結果、思春期群ではサブクリニカル群において報酬系の機能低下が示唆された。また成人では社会的ストレス耐性と吻側前頭前野および上頭頂小葉の賦活の関連性が示唆された。
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