研究課題
本研究では、旧ソ連邦空間で生じた民族紛争・民族間対立の端緒である、ソ連邦構成共和国からの独立を試みた「分離主義」運動を研究対象にし、社会学の資源動員論を援用しつつ、特定民族集団が特定条件下において政治的集合行為を行う要因の分析を試みた。研究上の時間的制約から、当初計画していたフィールドワークの全てをなすことは出来なかったが、モルドヴァ、バルト諸国、ウクライナでの最低限のフィールドワークを実施することができ、また、研究の最大目標であった、特定民族集団が政治的集合行為を行う要因を「論理式化」する点をクリアすることが出来た。論理式に関わる論考は、論文("Ethnic Political Mobilization: An Integrative or Disintegrative Force in the Modern Polity?")の形で発表された。また同論文の内容を、国際学会(BRIT XIV)にて口頭発表した。民族運動の生成要因を論理式で表した論説は国内外でも非常に稀であり、民族問題研究に新たな分析角度をもたらした点で、学界から注目を浴びるものになったとの自負がある。また、困難な研究環境の中にありながら、Europe-Asia Studiesのような一流英文査読雑誌での論文掲載、それを含む4本の論文の執筆、1回の国際学会での発表、1回のハーヴァード大学ディヴィスセンターでの招待講演等を遂行したことは上出来であると自己評価している。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Материалы V Региональной Научно-практической конференцйй
巻: なし ページ: 印刷中
Plural
巻: Vol.2, no.1-2 ページ: 64-80
Europe-Asia Studies
巻: Vol. 66, Issue. 7 ページ: 1146-1164
Image of the Region in Eurasian Studies
巻: なし ページ: 155-168