本研究の目的は、シリアにおける地縁、血縁を通じた政治参加の実態を近隣諸国との比較や量的調査の手法を通じて解明することである。 期間全体を通じ、シリアと隣接国での政情の混乱や治安状況が悪化し、レバノン、ヨルダンでの現地調査などの作業の一部は断念を余儀なくされた。しかし、シリア紛争への国際的関心の高まりを受け、セントアンドリューズ大学シリア研究所、チェコ科学アカデミー、トルコ中東戦略研究所で対外的な成果発信の機会を得るとともに、これらの機関を通じたネットワークの構築を達成した。また、シリアのアサド政権による地縁、血縁集団の選択的取り込みの実態を明らかにし、紛争の実態把握のために重要な成果を上げた。
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