研究課題
ヒマラヤ高地のインド・ラダーク地方において健康・栄養調査を行い、生態環境や近代化がどのように高齢者の「食」に関連し、健康状態としてあらわれているのかを比較考察してきた。調査地は、インド・ラダーク地方とし、都市部レー、山村部ドムカルに居住する高齢者に対して「フィールド栄養学」調査を実施した。生活環境の異なる都市部、山村部ともに、生活習慣病がみられ、その食事背景として、主食の転換「大麦から米へ」があるということをつきとめた。都市部から離れた山村部にも道路ができ、政府による安価な米の流入が背景にあることが、インタビューから明らかとなった。また、糖尿病のある集団では食の多様性が低く、栄養素の摂取に偏りがあることとを食事調査から示した。これらの所見をもとに、国際地域間比較を行い、食事摂取の地域的特徴と、食の健康へのインパクトの普遍性や相違点を考察している。本邦の地域高齢者における食と健康との関連調査も2007年より続けており、日本での高齢者の健康状態に関わる食品摂取の多様性と、その多様性を落とすことにつながる咀嚼能力に関しても調査し報告している。世界の長寿国である日本の高齢者の食と健康の研究にくわえ、今まさに近代化に伴う生活変化が起きているヒマラヤ高地において食と生活習慣病の関連を探る「フィールド栄養学」研究は、同様に近代化、高齢化を迎える東南アジアの開発途上地域の健康福祉へ貢献する可能性をもっていると考える。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Geriatrics Gerontology International.
巻: in press ページ: in press
10.1111/ggi.12421
Journal of Periodontal Research
10.1111/jre.12348
American Geriatrics Society
not yet processed
放送大学研究年報
巻: 32 ページ: 45-67
none
Community Dental Health
巻: 32 ページ: 1-7
10.1922/CDH_3502Iwasaki07