戦後27年間のアメリカによる沖縄統治時代に、琉球列島米国民政府(USCAR)は統治をスムーズに行う目的でプロパガンダ映像などを作成し沖縄住民向けに放映した。本研究では沖縄県公文書館や米国国立公文書館所蔵のUSCAR制作フィルムを閲覧・複製し、その制作背景やUSCAR広報局・視聴覚課の役割などについて調査した。1950年代に作られたニュース映画やドキュメンタリー映画の制作や上映に関する背景、1960年代以降のテレビ番組制作に至る経緯や制作・放映の背景など、USCAR制作フィルムの実態を調査し、映像という視点から米国の沖縄占領政策における広報外交の役割や諸相を探った。
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