この研究では知覚表現の構造、中でも知覚体験の恒常性に焦点を当て、「知覚体験には対象自体が持つ特質を認識することとそれを体験する主体の特質を認識することの両方が含まれるのか」を探求した。また後者は知覚者を巻き込んだ関係性の特質(例えば、知覚者と対象との距離は客観的な特質だが、同時に知覚者との関係性を持っている)を認識することと異なるのかという点である。今回は色と明暗の知覚体験について、そしてそれに関連して照明の知覚に関する問題を多く扱い、色または明暗と照明とのつながりを知覚体験において理解するためには、多次元尺度構成法(MDS)を用いるのが有効だという発見があった。
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