当該科研最終年度は、主に、これまでおこなってきた関連文献の校訂テクストおよび訳註作成の最終チェックをし、さらに、それら文献資料を総合的多角的に研究考察した。 まず、関連文献の校訂テクストおよび訳註に関して報告する。仏教タントラ側では、ヤマーリ系文献、特に『クリシュナヤマーリタントラ』の第4章、第5章、第6章、『サンヴァローダヤタントラ』の第10章の校訂テクストおよび訳註が完成している。一方のヒンドゥー教タントラ文献では、ダーマラ系文献『ダーマラタントラ』および『ウッダーマラタントラ』の校訂テクストおよび訳註が完成している。なにぶん全体の分量が多いので、これらの校訂テクストおよび訳註は、仏教タントラ側およびヒンドゥー教タントラ側それぞれに分けて、追々出版する予定である。 また、インド後期密教におけるヤントラの発展について、『クリシュナヤマーリタントラ』と『サンヴァローダヤタントラ』の記述をもとに考察、研究発表および出版している。
|