研究課題/領域番号 |
25770023
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
塩崎 悠輝 早稲田大学, 国際教養学術院, 研究員 (00609521)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | イスラーム / イスラーム法学 / 東南アジア / ファトワー / マレーシア / インドネシア / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、特別研究員(PD)としての初年度にあたり、マレーシアとインドネシアで二度に渡り、長期の現地調査を行った。これらの調査では、今後の研究において基礎的な資料となるマレー語、インドネシア語、アラビア語等のイスラーム法学書、ファトワー(教義回答)集等を収集するとともに、イスラーム学者へのインタビュー、世界各地の研究者との意見交換も行った。 現地調査と並行して、国内国外での論文、著書の発表および口頭発表も行った。論文にはAsian Journal of Social Scienceに掲載された論文、著書にはEdinburgh University Pressから刊行されたMasooda Bano & Keiko Sakurai (eds.) Shaping Global Islamic Discourses: The Role of al-Azhar, al-Medina, and al-Mustafa の第7章"From Mecca to Cairo: Changing Influences on Fatwas in Southeast Asia"等があった。口頭発表は、国内では日本中東学会年次大会での発表、国外ではシンガポール、インドネシアでの発表があった。 アウトリーチ活動にも関与し、全国歴史教育研究協議会第55回研究大会(大阪大会)に招かれ、シンポジウム「連携――教室にとらわれない歴史」において、イスラーム研究および歴史研究の学校教育との連携について講演、意見交換を行った。また、中外日報紙において二度に渡り東南アジアおよびイスラームに関する記事を寄稿した。 以上のように、平成26年度には国内国外で研究発表の機会を持ち、東南アジアのイスラーム法学に関するこれまでの研究成果を発表するとともに、今後の研究の基礎となる現地調査、資料調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度には国内国外で研究発表の機会を持ち、東南アジアのイスラーム法学に関するこれまでの研究成果を発表するとともに、今後の研究の基礎となる現地調査、資料調査を行った。研究成果の発表は、英語の著書二冊を含んでおり当初の計画以上であった。また、現地調査、資料収集では今後の研究の基礎とするのに十分なファトワー、法学書、研究書を集めることができた。国内外の研究者との意見交換でも、今後研究成果をまとめていく上で重要な示唆を数多くえることができた。よって、本研究は当初の計画以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度、28年度は、平成26年度中に収集したファトワー集やイスラーム法学書を基礎資料として、研究成果の発表を続ける予定である。平成27年度にはStudia Islamika誌へのの投稿が掲載されることが決定している。その他、国内国外の学術誌に論文を投稿するとともに、日本語の著書を出版する予定である。 平成27年度、28年度も引き続き現地調査を行い、東南アジアにおいては特にインドネシアのジャワ島中部、クドゥス市を基点として、イスラーム法学の師弟関係やスーフィー教団のネットワーク、中東との交流等について調査を行う。可能であれば、アラビア半島、南アジアでの現地調査も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度中に予定していた複数の英語論文および英語著書の執筆作業が平成27年度にずれこみ、英文校正の発注が平成27年度となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
複数の英語の論文および著書の英文校正を発注する。
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