研究課題/領域番号 |
25770040
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 金沢星稜大学 |
研究代表者 |
直江 学美 金沢星稜大学, 人間科学部, 准教授 (90468976)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アドルフォ・サルコリ / 西洋音楽受容 / イタリアオペラ / 声楽 |
研究概要 |
初年度は、アドルフォ・サルコリのイタリアでの活動を中心に研究を行い、これまで集めた資料の翻訳を完成させること、また、サルコリの身の回りの世話をなさっており、直接サルコリのレッスンの様子をみてきた 丸山徳子氏(101歳)の聞き取り調査や、お宅に残っている未整理状態の資料の整理を中心に行う予定をしていた。イタリアでの活動は、イタリアでの調査に加え、その後フィリピンでの活動の様子も調査することができ、新しい資料を見つけることが出来た。特にフィリピンでは、「The Manila Times」に詳細に公演状況が記載されており、サルコリの共演者の名前、6つのオペラにほぼ主演として出演していたこと、サルコリが特に興味を持って取り上げられていたことが明らかとなった。イタリアでも、後に、世界的バリトンとして名を馳せた、チッタ・ルッフォと共演したことを見つけた。サルコリの来日以前の活動は、ほぼ明らかになっていなかったが、25年度は、多くの演奏活動を明らかにすることが出来た。現在、資料調査の折に発見した資料を整理している状態であり、概ね予定通りの進捗状況である。また、サルコリに関する手紙、史料のデータベース化や、翻訳などの作業も、概ね予定通り進んでおり、2年目、26年度に向けて、順調といえる。一方、25年度後半より、丸山氏の体調が思わしくなく、年度末にお亡くなりになったため、丸山家の資料の整理は現在見合わせている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューや、資料提供をお願いしていた協力者がお亡くなりになり、その分の研究が予定より遅れることとなった。それ以外は、ほぼ予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
25年度のフィリピンとイタリアの調査によりまとまった資料が出て来たことは、今後、他国での調査への足がかりとなる。26年度は、フィリピン、イタリア以外へも調査に行く予定である。また、サルコリと日本の声楽界の発展についても、今後関係を調査したい。
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