本研究は近世作仏聖の活動の中でも、木喰行道と白道の初期の活動を解明することを目的とした。調査の結果、今まで木喰仏が未確認だった東北地方において新資料を発見することができた。また、2人の作例の区別が明確にされていない北海道内の資料についても、調査の結果、一部資料の作者を明らかにすることができた。さらに新出資料を検証することにより、それが現存最古の作例であると想定され、行道が北海道から作仏を開始したという従来の定説を覆すこととなった。以上のような成果により、今後の木喰研究において新たな局面が開くことができた。
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