研究課題/領域番号 |
25770059
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
有澤 知乃 東京学芸大学, 留学生センター, 准教授 (90588906)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 音楽教育カリキュラム / 民族芸能教育方法 |
研究概要 |
1)【横浜中華街における祭りやイベントにおける民族芸能プログラムの把握】実地調査を行い、民族芸能サークルの参加状況を把握した。各出し物の映像記録を取り、出演者の性別・年齢や、演奏されている音楽・舞踊の把握を行った。調査の結果、関帝誕などの宗教に関わる祭りや春節などの季節行事では、華僑学校の生徒や卒業生による獅子舞や民族舞踊などの伝統的な芸能が中心であるのに対して、国慶節や双十節などの建国記念行事では、上記の伝統芸能に加えて、近隣の学校からブラスバンドやコーラスなどのグループが参加していることがわかった。伝統芸能では、男女のグループが明確に分かれているのに対して、その他の出し物では、男女混合で行われている場合がほとんどであることが明らかになった。 2)【上記イベントにおける民族芸能グループの役割や参加者意識の調査】イベントの主催者や参加者への聴き取りを行い、参加動機や意義、また今後の展望について調査を行った。調査の結果、華僑社会のリーダー的存在である年配の男性達(関帝廟・媽祖廟理事・横浜中華街発展会理事など)は、華僑の伝統的なジェンダー役割を芸能の教育を通して若者に継承したいという意識を少なからず持っていることが分かった。一方で若者のグループについては、男女混合で行いたいという意見が数名からあがったが、より多くのメンバーへの聴き取りが必要である。 3)【横浜における華僑学校の音楽教育・民族教育の把握】横浜中華学院の音楽・民族教育の授業を見学し、担当教諭への聴き取りを行った。授業のカリキュラム・教育目的等の全体像を理解した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数回にわたる実地調査と聴き取り調査を実施することができ、問題の概要を把握することができた。また、次年度以降詳細な調査を行うためのネットワークと下準備が整ったので、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に構築したネットワークを利用して、より多くのインフォーマントにアンケート調査及び聴き取り調査を実施する。学会での報告を行い、調査方法の見直しや修正の必要性を検討する。同時に、最終年度に向け、研究の理論化を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に中国における国際学会での発表を計画したが、その時点(6月)で報告するに値するデータが得られなかったことと、次年度の学会のほうがより本研究に利するテーマに近いことがわかり、参加を延期した。 7月(大阪)と11月(イギリス)の学会で研究の報告を行う
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