華僑の他、華僑の芸能グループに参加している日本人や、日本に帰化した者、日本人と華僑とを親に持つ者、近年中国や台湾からやってきた新華僑など、様々な背景の人々を対象とし、民族芸能のサークル活動やパフォーマンスを通して、彼らのジェンダー意識やエスニックアイデンティティ、コミュニティや国への帰属意識がどのように形成されているかを考察した。横浜中華街の祭りで行われる獅子舞、龍舞、民族舞踊グループの活動について聞き取り調査を行ったほか、二つの中華学校(横浜山手中華学校・横浜中華学院)で、民族芸能の授業の調査と音楽を担当する教員とスタッフからの聞き取りを実施した他、授業や課外活動の観察を行った。最終年度は、これまで行った調査で得た資料整理と分析、音源・映像データの編集作業ならびに成果の発表準備を行うと共に、今後の研究の展開に向けて、長崎や神戸の中華街や中華学校の情報収集を開始した。
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