「環境における表現の可能性」をテーマとし、26年度は、水田環境(福島県喜多方市の休耕田)を活用した作品を制作した。田んぼの土中に空気噴出装置を沈め、水面にあぶくと波紋を出現させる作品である。 25年度に実施した海洋環境での設置施工のノウハウを活かし、環境を水田に移し、表現の展開を試みた。 水の出し入れが可能な場所での作品制作の経験は、装置の小型化、メンテナンス性、作品の建築環境へのインストールのために必要な改善点を知ることができる有意義なものとなった。 また26年度には、文化庁&東京藝術大学主催の「平成26年次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」に新進芸術家として参加した。本事業のプログラムにおいて、水田環境で、あぶくのライトアップ実験や装置の改良点の模索、素材として水だけではなく、粘性の高い液体の動きや水面に浮かべた物質の動きを見せることで、物理的にどこまで表現方法を展開させることが可能かを実験することができた。さらに、素材を変えることで、作品テーマをどこまで展開させることが可能かの検証のきっかけとなり、今後の研究に繋げることができた。
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