研究課題/領域番号 |
25770070
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研究機関 | 昭和音楽大学 |
研究代表者 |
佐藤 良子 昭和音楽大学, 音楽学部, 助教 (50634622)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 芸術・文化政策 / 文化芸術活動への公的支援 / 音楽 / 助成 / オーケストラ |
研究実績の概要 |
本研究は、日本における音楽芸術団体等への公的支援の実態を調査し、その構造を分析・把握することを目的とする。2014年度は、2013年度に行ったオーケストラに対する助成の課題の洗い出しを踏まえた仮説を検証するため、国内各地のプロフェッショナル・オーケストラに関する現地調査(公演視察、関係者へのインタビュー等)を行った。特に、事例調査として公益財団法人札幌交響楽団の活動について資料収集し、その成果による学会発表及び論文投稿を行った。なお、年度末には公益財団法人九州交響楽団の活動についての資料収集も開始した。 これにより、本研究の課題、すなわち日本における音楽芸術団体等に対する公的支援の構造分析・把握に向けて、地方におけるオーケストラの公演活動の実態とこれに対する公的支援の在り方という、新たな視座を得ることができた。 上記の一方で、本研究の基礎的調査として、2013年度に引き続き国、地方自治体、民間による文化芸術活動への支援に関する資料収集を継続して行った。そのため、文化政策・アートマネジメント関係図書の収集のほか、一般社団法人日本クラシック音楽事業協会主催の「クラシック・コンサート制作 基礎講座」、公益財団法人可児市文化芸術振興財団主催の「世界劇場会議国際フォーラム」、その他学会活動への参加等を行い、資料を収集した。 以上の研究活動は、文化芸術活動への公的支援の役割を考察するものであるとともに、文化審議会で審議中の第4次「文化芸術の振興に関する基本的な方針」の答申案において、日本版アーツカウンシルの導入を含め、文化芸術活動に対する効果的な支援の在り方が提起されていることから、これに資するものとして重要な意義を持つ。また、先行研究において、日本における文化芸術活動への公的支援の実態に関する研究成果が少ない中、本研究で得たデータは、今後の同分野の研究の発展に役立つものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究成果を踏まえ、本年度はヒアリング等現地調査に重点的に取り組んだ。これにより、当初の研究実施計画において、昨年度は現地調査が若干不足していたが、その不足分を補うとともに、必要な現地調査を実施することができた。その際、調査遂行にあたり、調査先の関係者等との連携に努め、協力を得ることができた。 一方で、昨年度及び本年度の研究成果を取りまとめ、学会発表と論文投稿を行った。以上から、本研究課題の研究は全体としておおむね順調に進展していると言うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度及び本年度の研究に基づき、引き続き必要な現地調査等資料収集を進めるとともに、研究協力者等の協力も得て分析作業と研究成果の取りまとめを行う。また、学会発表及び論文投稿等により、成果発表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、現地調査(旅費支出)に重点をおいて研究活動を行ったため、分析及び取りまとめに必要な作業(資料収集、資料複写、データ入力等)に伴う支出が予定額よりも少なく、次年度使用額が発生することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は本研究課題の最終年度を予定していることを踏まえ、必要な現地調査を行うとともに、分析及び取りまとめ作業を行う。これに伴い、物品費、旅費、人件費・謝金、その他経費を、次年度分として請求した予定額と合わせて使用する計画である。
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