本研究の目的は、文化芸術振興のための新たな公的支援の仕組みの構築が喫緊の課題となっていることを踏まえ、日本における音楽芸術団体等への公的支援の実態を調査し、その構造を分析・把握することである。日本の公的機関(文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会)による助成事業の全体的な構造の把握及び助成を受ける側としてのプロフェッショナル・オーケストラの活動の実態分析の両面から研究を進めた。その中で、オーケストラの「地方公演」の重要性に着目することにより、音楽芸術団体等への公的支援の方向性の考察に資する、新たな視点を得ることができた。
|