研究課題/領域番号 |
25770110
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
松浦 愛子 釧路公立大学, 経済学部, 講師 (70457919)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | トランスアトランティック / 演劇 / Samuel French |
研究概要 |
本研究課題の背景となる英米両国の劇場文化の関わりについて、学会誌に2編の論文を発表した。論文においては、英米の劇場の関係性は、米国による英国の模倣による一方通行ではなく、双方向であることを示した。具体的には、19世紀中葉に英米両国で活躍した劇作家ディオン・ブシコーがロンドンで行った米国の先駆的な劇場建築の促進の試みが、その後のロンドンの劇場建築様式の到来を予見した事例 (Journal of Irish Studies掲載)と、米国の劇場火災が英国の劇場の文化政策に影響を与えた事例(ヴィクトリア朝文化研究掲載、特に10-14ページ参照)である。 つぎに、Samuel French社が活躍した19世紀の米国ニューヨーク市の劇場産業に関する先行研究を入手し、精査した。その結果、19世紀中期から後期のニューヨーク市において、劇場は中産階級の社交文化の重要な一部であり、植民地時代から継続して英国の戯曲の人気が高いことが明らかになった。また、米国の市民戦争時の劇場関係者の米国から英国への一時的な流出を契機として、米国の劇場の産業構造が変容したことが指摘できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウエブ上にデジタル化された第一次資料や道内の他大学の蔵書・データベース、米国図書館のリサーチ・サービスを含め、国内で資料収集を進め、Samuel French社の活動を位置づけるための19世紀米国劇場産業関連の文献を広く入手することができている。しかしながら、妊娠期間中の為、Samuel French社に関する第一次資料収集のための海外調査はできていない。
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今後の研究の推進方策 |
Samuel French社に関する第一次資料の入手分析のために英米両国において、調査を行う。また、Samuel French社の活動を位置づけるために、トランスアトランティック文学理論、文学作品の流通に関わる通信・交通網の技術革新を含め、先行文献を入手する。また、国内外の学会において研究成果を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
産前産後の休暇又は育児休業による中断:平成25年11月07日~平成27年03月31日 第一次資料の入手分析のために英米両国において、調査旅行を行うための費用として使用する予定である。
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