研究課題
2019年度の実績として、以下のものがある。①Nathaniel HawthorneのMarble Faunにおけるアメリカンガール像を検討した。本研究は以前から継続して行っている研究であり、最終的に論文“The American Girl Abroad: Nation and Gender in The Marble Faunとしてまとめた(現在投稿中である)。②Henry JamesのThe Bostoniansについて、当時の女権運動の状況を鑑みつつ、小説内に登場する2人の女性人物について考察した。研究の成果は、“‘Vagueness of boundary’: Democracy and American girlhood in The Bostonians”としてまとめた(2020年度中に投稿予定である)。③Henry JamesのThe Golden Bowlを取り上げ、当時のアメリカにおけるネイションビルディングの動きと雑誌などで流布した「アメリカンガール」像との関係を踏まえ、小説内で描かれる2人の女性像の読み直しを行った。研究の成果は、論文“Nation-Building and the American Girl: The Turn-of-the-Century Popular Culture and Henry James”としてまとめた(2020年度中に投稿予定である)。④その他、書評執筆と招待講演を行った。研究期間全体を通して、1850年~1920年のアメリカ小説における「アメリカンガール」像の研究について、一定の成果を挙げることができた。特に、Nathaniel Hawthorneについては、主要小説におけるアメリカンガール像を重点的に研究することができ、Hawthorne作品の女性像に関する研究に新たな切り口を提供できたと考えている。
書評新井景子、“Book Reviews : Maya Higashi Wakana著 Performing Intimacies with Hawthorne, Austen, Wharton, and George Eliot : A Microsocial Approach”、 『アメリカ文学研究』 56号, 2019年 81-87.
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