研究課題/領域番号 |
25770123
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
乗松 亨平 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (40588711)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換(ロシア) / ロシア文学 / ナショナリズム |
研究概要 |
平成25年度は、9月にモスクワへ出張し、ロシア国立図書館で『非常用備蓄』などの批評誌や現代ロシアの文化批評にかかわる資料を調査・収集した。また同時に、現代ロシアにおいて「文学の社会学」を代表する3名の研究者(レフ・グトコフ、ボリス・ドゥービン、アブラム・レイトブラト)に面会し、本研究課題のテーマについてインタビューを実施した(平松潤奈(金沢大学)との共同インタビュー)。特にグトコフは、リベラル系世論調査機関レヴァダ・センターの所長であり、現代ロシア社会学の最重要人物である。レイトブラトは、現代ロシアを代表する文化批評誌『新文学展望』の編集者であり、インタビューに合わせて、日本のロシア文化研究を紹介する記事の執筆について打ち合わせ、帰国後に発表した。記事は2000年以降の日本のロシア研究書をリスト化し、全体の動向を報告するもので、日ロの研究者交流に資するところは大きいと思われる。 10月には、後期ソ連におけるシニシズムに関する重要な研究者アレクセイ・ユルチャク(米カリフォルニア大)が来日し、彼を囲んで行われた研究会で口頭発表を行うとともに、詳しく意見交換した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
9月にモスクワで実施したインタビューと、当初、平成26年度に面会を予定していたユルチャクが来日し詳しい意見交換をできたことで、見込みよりも早く、本研究課題の見通しを得ることができた。成果を著書にまとめる計画を立て、具体的準備を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の活動で、本研究課題について一定の見通しを得ることができたため、今後は資料の読解・分析を進め、成果をまとめることに重きをおく。成果発表の中心となるのは、ひとつは本研究課題に関する著書の執筆であり、もうひとつは、平成27年に幕張で開催されるICCEES(国際中欧・東欧研究協議会)世界大会でのパネル発表である。ICCEESはスラヴ・ユーラシア研究の世界組織であり、この大会の成功は、日本のロシア研究全体の国際化にとってきわめて大きな意義をもっている。本研究課題にかかわる重要な研究者を海外から招聘し、ひとつのパネル(ないしラウンドテーブル)を組織することで、成果を国際的に発信するとともに大会の成功に貢献したい。
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