研究課題/領域番号 |
25770127
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
松原 陽子 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (10610371)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / 演劇 / 小説 / 文化史 |
研究概要 |
2013年11月に催された国際シンポジウム <<1913: la transgression des genres>>において、本課題「プルーストのテクストにおける古典主義演劇」に関する発表を行った。 具体的には、プルーストの小説『失われた時を求めて』の中でも、1913年に出版された第一巻『スワン家の方へ』を中心として、プルーストの小説の中で演劇がどのような役割を果たしているのかという問題を考察した。この問題をめぐって、プルーストと同時代の作家アラン=フルニエをはじめ、他の小説家との比較によって、プルースト独自の手法を明らかにすることを目的とした。その際、小説以外のテクストも分析対象とした。3日間にわたるシンポジウムの中で、他の発表者や聴衆と意見交換をする貴重な機会が多く得られた。このシンポジウムにはプルーストの専門家だけでなく、アラン=フルニエの専門家が多く参加しており、重要なアドバイスを得ることができた。 本発表においても、プルーストの小説の生成過程をたどりながら分析を行ったが、さらに草稿資料を分析対象とすることで、今後、考察を深めていくことが考えられる。まずは、すでに刊行されているプルーストの原稿帳の転写校訂版を参照して、分析を進めていく予定である。 本年度は予定通り、本研究課題に関する研究分野において著名な専門家を九州産業大学に招き、講演会を開催した。講演後は質疑応答も活発に行われ、有意義な意見交換の場を設けることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口頭発表により研究成果を公表した。シンポジウムや講演会によって本課題について、有意義な意見交換ができた。
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今後の研究の推進方策 |
プルーストのテクストの中でも、最終稿だけでなく原稿帳の転写校訂版を参照し、生成過程を視野に入れることで、分析を深める。
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次年度の研究費の使用計画 |
交付申請書に記載したとおり、本年度は本研究テーマに合致する研究分野において著名な専門家を招いて講演会、セミナーを開催したが、それに伴い講演会が終了する平成26年1月まで経費を抑える必要があり、国内での研究会参加や消耗品類の支出を控えたため、次年度使用額が生じた。 平成26年度は、本年度十分には行えなかった、資料収集や出張等、本研究課題を進める上で必要な活動を積極的に行う予定である。 本課題を進める上での資料収集や出張等で必要な費用となると考えられる。
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