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2014 年度 実施状況報告書

イヴォ・アンドリッチの小説世界に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25770129
研究機関共立女子大学

研究代表者

奥 彩子  共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (90513169)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード東欧 / ユーゴスラヴィア / 文学
研究実績の概要

本研究の最終的な目的は、再構築の波のなかにあるボスニア・ヘルツェゴヴィナ文学がもつ、世界文学としての可能性を明らかにすることにある。本研究期間では、その中心となるイヴォ・アンドリッチの小説作品について、1.ユーゴスラヴィア解体後のアンドリッチ作品を取り巻く状況、2.アンドリッチ作品におけるムスリム表象、3.アンドリッチ作品における街と橋の表象の三点から検討する。これにより、ヨーロッパとイスラームという二つの文化圏の相克がアンドリッチ作品、さらには作品読解の歴史のなかにどのように刻印されてきたかを考察する。
二年目である2014年度は、2.と3.についての資料の収集と資料の読解を行った。アンドリッチの『ドリナの橋』における歴史とフィクションの融合について、民衆歌の資料を収集するとともに、橋の建造について、どのような具体的なプロセスで行われたかについての資料収集を行った。
研究発表としては、1.について、「ノーベル賞作家の数奇な運命~イヴォ・アンドリッチ」と題したエッセイを執筆した(『セルビアを知るための60章』、明石書店、近刊予定)。また、2015年の国際学会において、アンドリッチ作品における宗教の描かれ方を、登場人物の名前に着目して読み解く発表を準備している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アンドリッチのムスリム表象について、1960年代から行われていたボスニア人による批判を把握するとともに、セルビア側からの反応などについても把握することができた。またそうした批判を無視せず、精査することによって、アンドリッチの作品における歴史とフィクションの融合という観点から、理解を深めることができた。

今後の研究の推進方策

これまでの研究を論文として発表していく。

次年度使用額が生じた理由

当該年度においては、オスマン帝国時代の資料収集を目的としてフランスへの海外出張を行い、旧ユーゴスラヴィアにおける資料調査は、翌年度に行うこととした。そのため、当該年度での予算を抑え、次年度に繰り越すこととした。

次年度使用額の使用計画

セルビアにおける資料調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Naming of Characters in Ivo Andric's "The Bridge on the Drina"2015

    • 著者名/発表者名
      Ayako Oku
    • 学会等名
      The International Council for Central and East European Studies
    • 発表場所
      Kanda University of International Studies
    • 年月日
      2015-08-07

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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