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2015 年度 実績報告書

韓国と日本におけるポストコロニアル文学研究の展開過程に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 25770139
研究機関琉球大学

研究代表者

呉 世宗  琉球大学, 法文学部, 准教授 (90588237)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード在日朝鮮人文学 / ディアスポラ / 金時鐘 / 金石範
研究実績の概要

平成27年度は、日本と韓国のポストコロニアル文学研究において、現在、二項対立的認識論的枠組みがいかに変容しているのかを比較検討するために、在日朝鮮人文学に関する研究の収集・分析を行った。日韓におけるポストコロニアル文学研究は、その分析対象が植民地期の文学だけでなく、1945 年以降の在日朝鮮人文学作品までに広がってきている。そのため日本と韓国における在日朝鮮人文学の先行研究の収集を行った。
先行研究の特徴としては、韓国では、2004 年ごろから「ディアスポラ」という観点から在日朝鮮人文学を論じる研究が急速に増え始めていることがわかった。日本においても、同時期に「ディアスポラ」を用いた在日朝鮮人論や文学研究が増加し始めている。しかし両国における「ディアスポラ」という観点からの在日朝鮮人文学の研究は、「ディアスポラ」概念に充填される意味内容の違いもあり、植民地問題が必然的に惹起する支配/被支配、協力/抵抗といった二項対立的な認識の機制に対する論じ方の差異として現れていることを明らかにした。
平成27年度の研究成果は、(1)「在日朝鮮人文学における私」(韓国・東国大学2015/9/12)、(2)「『火山島』翻訳記念 金石範シンポジウム」(成蹊大学、2015/11/8)、(3)アジア現代思想計画MAT「〈平和と連帯〉の思想史―バンドン会議/第三世界60年・沖縄土地闘争60年」(沖縄大学、2015/11/13-15)(4)日本近代文学会「在日朝鮮人文学に関するパネルセッション」(早稲田大学、2015/11/24)で報告した。報告の内容は、小説家の金石範や詩人の金時鐘についてや、1950年代はじめの在日朝鮮人組織の動向などを中心としたものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 金時鐘の詩と「自伝」―『朝鮮と日本に生きる―済州島から猪飼野へ』を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      呉世宗
    • 雑誌名

      韓国学研究

      巻: 39 ページ: 27-48

    • DOI

      http://www.inhakoreanology.kr/science/kor_study_view.php?sq=51

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 金時鐘の詩を新たな可能背に開くために2015

    • 著者名/発表者名
      呉世宗
    • 学会等名
      日本近代文学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-11-24
  • [学会発表] 1950年代前半の在日朝鮮人たちの社会運動2015

    • 著者名/発表者名
      呉世宗
    • 学会等名
      アジア現代思想計画MAT
    • 発表場所
      沖縄大学
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-15
  • [学会発表] 金石範作品における闇について2015

    • 著者名/発表者名
      呉世宗
    • 学会等名
      成蹊大学アジア太平洋研究センター学術大会
    • 発表場所
      成蹊大学
    • 年月日
      2015-11-08
  • [学会発表] 金時鐘の詩と「自伝」-『朝鮮と日本に生きる―済州島から猪飼野へ』を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      呉世宗
    • 学会等名
      東国大学文化学術院定期学術大会
    • 発表場所
      韓国・東国大学
    • 年月日
      2015-09-12

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公開日: 2017-01-06  

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