本研究の目的は、フィールド調査における言語調査に基づいてアイルランド英語の胴体的研究を充実させ、世界英語研究および接触言語学において、事例的および理論的貢献をはかることであった。今年度は最終年度として、これまでの調査の不足を補いつつ、これまでの考察をまとめることに重点をおいた。 (1)アイルランド英語に関する調査: アイルランド共和国コーク市およびリストール市において、アイルランド英語に特有の語彙に関する調査および形態統語的特徴への言語意識調査を行った。 (2)文献調査および理論的考察: 接触言語学分野の諸研究、世界の英語変種に関連する文献調査を行い、言語変化と話者の言語意識および言語使用に関する理論的考察を行った。 (3)研究成果の発表: 以上の内容の一部を論文“Morphosyntactic features in flux: Awareness of ‘Irishness’ and ‘Standard’ in Hiberno-English speakers”として、公刊した(Arbbeiten aus Anglistik und Amerikanistik 40)。これまでの研究成果の概要を、アイルランドの言語事情と言語接触を中心にまとめ、「アイルランドにみる言語の衝突と邂逅」の題目のもとにひろく一般向けに報告した(12月明海大学)。
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