研究課題/領域番号 |
25770159
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
平岩 健 明治学院大学, 文学部, 准教授 (10572737)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生成文法 / 統語論 / 再帰性 / 併合 / 等位接続 / 数 / 言語能力 / 数能力 |
研究概要 |
1年目は基礎的研究期間と位置づけ、加算演算子 (&) との関連から等位構造のメカニズムに関する研究を集中的に検討しそれぞれの言語の等位構造も記述するとする研究実施計画に基づき、本年度は数表現の統語構造を探る第一段 階として、人間言語の等位接続構造の詳細な類型論的研究を行った。また、琉球語(首里方言)は2014年3月に一週間に渡りフィールドワーク研究を行った。本年度の研究の結果として: 1 人間言語の加算演算子が関わる等位接続構造においては、語順の主要部パラメータが普遍的に主要部先行 (head-initial) であること。 2 等位接続において[& NP NP]という語順パターン(そしておそらくは[NP NP &]という語順パターンも含まれる)の存在が汎言語的に認められないという事実は、上記の語順パラメータと移動操作の相互作用から自然に説明することができること。 3 等位接続詞重複 (conjunction doubling) は&Pの複層構造を形成していること。 が明らかになった。本年度扱った言語においてはいずれも名詞等位接続詞と数詞表現で用いられる加算演算子との間に類似性が見られたことから、数詞表現の統語構造を明らかにする上で本年度の研究成果は重要な1歩であると結論づけることができる。尚、上記研究結果は第88回アメリカ言語学会にてCoordination and the Head Parameterとして発表(ポスター発表)し、ホームページ上に公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り等位接続構造の研究が進展し、学会発表を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
さらに等位接続構造の詳細な研究を推進する一方で、明らかになった等位接続構造に基づき、日本語、琉球語(首里方言)、英語、Dagaare語の数詞表現の統語構造を明らかにしていく予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
3月に行ったフィールドワーク研究に関する旅費精算が2014年度の処理扱いとなったため、次年度使用額が発生した。 次年度使用額は未精算額のみであるため、今年度の使用計画に影響はしない。当初の計画通り、研究を遂行する予定である。
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